日本国内では官民一体となった働き方改革が推進されるなかで、ウェルビーイングを取り入れた企業の健康経営に注目が集まっています。具体的には、長時間労働の是正のほか、企業内ハラスメント対策、ダイバーシティ経営に関する施策が一部の企業で打ち出されています。
「ウェルビーイング」とは?
ウェルビーイングという概念が企業において徐々に浸透してきているにもかかわらず、その言葉の意味についてよく知らないという方は多いことでしょう。「ウェルビーイング」は実に定義しづらい言葉であり、その意味が曖昧化してしまっているのが現状です。場合によっては「幸福度」として解釈されることもあるようですが、「well-being」にぴったり合った日本語訳が存在しません。意味について深く考えることなく、カタカナ語の「ウェルビーイング」としてただ何となく受け入れているという方は決して少なくないはずです。
ウェルビーイングは近年よく耳にするようになった言葉であるがゆえに、最近出てきたばかりの新語とと誤解しがちです。「ウェルビーイング(well-being)」という言葉は、1946年の国連世界保健機関(WHO)憲章の草案にすでに登場しています。ウェルビーイングとは「身体的、心理的および社会的に良好な状態であること」、つまり「肉体的にも、精神的にも満たされた状態であること」を指します。一般には幸福の概念を表す言葉として認識されています。